第10話:覚悟
クラウス軍は隊を半分に割り、消えた街の辺りにある大きな穴をのぞき込んだ。
そう……らん猫も飛び込んでいた!
少し前……
(ソフィア?ソフィア行くの?)
みんなに会えるかもしれない!
ということで……
らん猫はしっかりついてきていたのだ(〃∇〃)
時空が歪み、視界が拓けていくと……
一行はサハムの街跡にテレポートしていた。
数十年前のサハムの悲劇そのままに変わらずそこにあり続ける廃墟。
あたりを覆う禍々しい気配は、旧い魔族ビルディワームの残滓なのか………
なぜか数十年経過しても気持ちは悪い。
細い通路を抜けると……
ゴゥん!
刹那、魔力弾が着弾する!!
クラウス『やはり罠かっ!
全軍退却っ!』
キャノンスピアっ!』
クラウス『さっさと退却しろ!大将は逃げるときは最後なんだよ!』
ズガン!
槍の冒険者のいるあたりを建物ごと魔力弾が命中した!
全員が退却したのを確認し………
クラウス『それでは………ひと仕事すっか!
おい!暴発魔道士っ!』
女性『は、はいっ!
てか……。
その名前で呼ばないで……くださいっ』
クラウス『お前がその通路に入ったら……
魔力障壁を内側からかけろ!』
女性『?!』
女性『それでは貴方がっ!』
クラウス『俺は大丈夫だっ!
奥の手があるからなっ!』
剣を振りながらクラウスが強がる。
クラウス『早くしろ!
壁なら失敗しないんだろ!?
みんなを守るんだ!』
女性『こ、このために私を………』
クラウスは小さくうなずき『早く行け!』と促した。
バリバリ……バチバチっ
女性が言っていたとおり…分厚い雷壁は安定して入り口を塞いでいた。
これならいくら強大な魔族でも破るのに時間がかかることだろう。
クラウス『よし…………って!!!
内側からって言っただろっ!?
魔法も制御できないくせに何残ってんだよっ!』
その『奥の手』を見たくなりまして…』
イタズラっぽく女性が笑う。
クラウス『ウソつけ!』
女性『ふふっ(*´艸`*)』まだ……何かできることがあるかもしれない。
それにもう………他に味方もいないし、暴発しても大丈夫だもんね(o^-')b♬
ガァンっ!!!
刹那、魔力弾がふたりの間に炸裂する!
女性『ぐっ!』
軽々と吹き飛ばされる女性。
直撃ではなさそうだがダメージは相当だろう。
クラウス『大丈夫かっ!?暴発魔道士!』
女性『いたた……その名前で呼ば……ん?』
抗議しようとした女性の手に、コツンと何かが当たる。さっきの冒険者の……槍……?
槍を握りしめると…その槍を持つ手から眩しい光が溢れだす!
とても暖かく、槍なんて初めてなのになぜか……懐かしい……
女性はスックと立ち上がる。
槍は女性の手の中でたのしく踊るように躍動する。まるで太古の昔から主人を待ってたかのようにしっくり手に馴染む。
女性の顔にはもう、あのオドオドした不安感は微塵もない。
もうなんだか楽しくて仕方ない。この槍に身を委ね大きな舞台で踊るように………
シュバッ!!
女性は地面を蹴り、モンスターに突っ込んで行った!!
軽やかに、飛ぶように、戦場を舞う。
バチバチバチバチっ!
槍全体に雷を纏い、白く輝く槍を掲げ女性がそれを振り下ろすと四方八方に雷撃が降り注ぐ!
女性
『トールっハンマーぁっ!!』
戦場を駆け抜け勝利をもたらすというそのお話はかなり有名である。
まぁ……元は槍を使う女性の活躍にいつしか尾ひれがつき、おとぎ話になるのだろうけどね。
20歳は若返ったかのような女性は、自由に、縦横無尽に戦場を駆け抜け……高く飛び跳ねる。
モンスターの数をものともせずまとめてなぎ倒して行く姿は、まさにヴァルキリーのそれであった。
女性『私、槍のほうが合ってるみたいっ!
身体が……軽いっ!!』
女性『その名で呼ぶなっ!!』
ふっ…『返し』まで凛々しくなってやがる…
そういうクラウスも負けてはいない、研ぎ澄まされた師匠譲りの剣技で、また一匹、また二匹と葬りさっていった。
クラウス『今日はとても調子がいいぜ!
いくらでも倒せそうだ!
おい!それにしてもお前すげぇな!
最期に名前おしえてくれ!』
















